Bonjour(こんにちは)、ノタキラです。
やっと、こんにちはと言えました。朝型に生活スタイルを変更でき、本との私デビュー!な心境です。
今回は、読書記録第一弾。
前田裕二さん『メモの魔力』です。どうぞ!
「メモって材料集め」
まず、この本を読んで感じたことは、メモって日常生活で起こった出来事や考えたことなど、いわば材料を忘れないように集めておくことなんだよなぁ、ということです。
どういうことかと言うと、例えで説明すると分かりやすいと思うので、「料理」に例えて説明します(僕はこの料理という例えが好きです)。
料理には、食材が必要です。食材は畑や農場から調達しなければなりません。石とか土は食材にならないので、料理の食材としては必要ないものです(調理道具として活用できるかもしれませんが、この記事の主旨から外れるので説明は割愛します)。
「ナス!君に決めたっ!」
「素晴らしいふぉふぉろ構えだ」
メモで言語化、図式化された情報は、いわば食材にあたります。情報はそこらじゅうに溢れているわけですが、自分の思考にとって必要な情報(もしくは必要となるかもしれない情報)をメモに起こす、収穫するわけです。この過程は、情報の選別(キュレーション)とも考えられます。メモに書き起こす段階で情報の仕分け、食材の調達が始まっているわけです。
さて、『メモの魔力』が「メモは材料集めること」だけを伝える本だとしたら、この本はあまり得るものがない本ということになります。
しかし、ここからが『メモの魔力』における大事なポイントです!
「アナ雪じゃなくてアナ路地が流行ると思う」
「メモから発展させて、情報同士のアナロジー(類似性)を見つける」
そうなんです。アナロジーを見つけるのが非常に大切なのです。この件に関しては『Range』という本にも同様の記述がありますので、『Range』の読書投稿でお伝えしようと思います。
前田さんが伝えたいのは、おそらく次のようなことでしょう。
メモに書き記したたくさんの情報を整理して、メモに記したある出来事から、他の出来事にも当てはまる(もしくは、当てはまりそうな)類似の構造やストーリーを見つける。そうして、それらを適用しながら思考を整理していくと人生の目標や取り組みたいことが見つけられるのではないか。
この大胆な仮説を、ご自身の経験に基づき打ち立てているのです。
例えるにもアナロジー必要なんやなぁ
ここで再び、料理の例えを用いて、流れを整理しましょう。
料理には、
①「食材を収穫する」
②「調理する」
③「盛り付ける」
といった段階があるとします。
考えをまとめるにあたって、
①「食材を収穫する」には、上記での説明の通り、メモに書き記すことが必要です。
もちろん情報の収穫技術は人によって差があり、メモをたくさん書くことでその技術が磨かれていくのは間違いありません。情報選別能力(キュレーション力)が高まるということですね。
②「調理する」はどうでしょう。調理には、包丁で切ったり、フライパンで炒めたり、鍋で煮たりという工程があります。調理は、料理をする上で、味の決め手となる重要な段階ではないでしょうか。考えやアイデアを創っていく上でも、「調理」段階は非常に重要です。
大事なことなので英語で言います
では、「調理」において大事なことは、考えをまとめる際の「何に」当たるのか?
それは、ずばり「アナロジーを見つける」の一言に尽きると思います。
当然、包丁を使いこなす技術のように、MECE、ロジックツリーなどの「道具」を使いこなす力が役立つのは間違いありません。
しかし、最も大事なのは、『メモの魔力』でも書かれているように、「汎用性・再現性が高いアナロジーを見つける能力」を身につけることなのです。レシピ(アナロジー)の書かれたメモがあれば、様々な食材の最適な組み合わせを考えることができ、美味しい料理(アイデア)が何回でも作れます。
③「盛り付ける」のは、考えたことをいかに人に伝えるかなので、メモのその先、つまり、伝える技術に相当します。調理したものが整って綺麗なものであれば、そんなに頑張らなくても、人に美味しく食べてもらえます。盛り付けはあくまで盛り付け。
さ、教えてよ、魔法の使い方!
それでは、肝心要の「アナロジー」はどのようにして見つけるかですが、それは『メモの魔力』を読んでのお楽しみ…。
としたいところですが、結論から言うと自分なりの方法を見つけるしかないようです。調理方法、レシピは自分で獲得する。そのためには、たくさんメモを書くという食材集めの経験を積み、メモをまとめ、メモから考えを深めていくことが必要だということです。
もちろん、本の中には、前田さんによる思考の助けとなるヒントがたくさん散りばめられており、『メモの魔力』を読むとレシピ構築の気づきが得られること間違いなしです。
最後に、「メモ」というものについて。
メモは強力な思考の補助ツールである。
しかし、補助であることを忘れてはならない。
考えるのは、あなた自身なのだ。
by 斜め上から目線のおじさん
「読書『メモの魔力』」は、そんな感じ。
fin.