KPIのつくりかた−減量を事例に−


Bonsoir、ノタキラです。
またまた転職が決まりまして、明日から新たな職場で働くことになりました。
その辺りの詳細は、後日、投稿にてお伝えすることとして、本日は前職でKPIを作るにあたって調べ、まとめたことをビジネス書形式で披露できればと思います。
Ça y est!(さぁ、いくぞ!)

「KPIのつくりかた−減量を事例に−」

会社の利益を上げるためには、どうしたらいいか。

「売上を増やし、費用を削減する」

これに尽きる。

しかし、同時にゴーイングコンサーン(将来にわたって事業継続していくとの前提のこと)を目指すなら、社会にとってメリットがある事業でなくてはならない

ここで言う社会とは、経済的社会にとどまらず、自然環境や社員の生活をも含んでいる。

売上を増やし、費用を削減しながら、ゴーイングコンサーンであるということ。
売上を増やすには、知恵、人手、道具が必要だ。
費用を減らすには、知恵を用いて、人件費、設備費、燃料費などを削減することが必要だ。

人件費は費用削減の際に目をつけられることが多いが、人件費を削ると社員のモチベーションが低下し、生産性の高い社員が流出する。つまりは、売上を創る力が低下するのである。(もちろん、生産性の低い社員を雇っておくのは、売上、費用の両面においてマイナスである。)
社員全体の生産性、「稼ぐ力」を上げるためにある程度の投資は必要なのである。

お金と時間をかけずにできるんですか!?

投資というとお金や時間をかけることと思うかもしれない。しかし、それらを投資しなくても効果的な方法がある。
それは、制度を構築する労力を投資することだ。

制度によって社員のモチベーションが上がれば、金銭的コストゼロで生産性を高めることができる。

制度の顕著な例としては、目的や目標、KGIやKPIを設定することが挙げられる。
※KGI(Key Goal Indicator)・KPI(Key Performance Indicator)

KGI、KPIは、売上・費用のどちらにも影響を与えることができる。

では、どのようなKGI、KPIを設定すれば、継続的に利益を生む体質になれるだろうか。

理想論を言えば、①現状を把握し、②工夫すれば達成できる目標を設定し、③そのギャップを埋めるような過程を設計することだ。

ダイエットの方法をダイエット

例えば、やせたいとする。現状を把握する際、いまは太っているでは適切な現状把握とは言えない。どの程度太っているのか「数値に置き換える」必要があるのだ。
仮に現在70kgだとする。

では、目標を何kgに設定するのか。それとも部分的にやせたいのか。それは、目的によって異なる。ワンサイズ下の服を着たいのか、10kg痩せたと言って友人に自慢したいのか、ファッションモデルとしてスレンダーなボディを手に入れたいのか。

目的が違えば目標も違う。当然のことだ。

ここでは友人に体型と努力を自慢したいとしよう。10kg痩せるということなので、現状70kgを60kgにしたいということだ。目標は10kg痩せる。

ここで初めてKPIを考え始めることができる。

10kg痩せる方法はいくつかある。食事制限をする、運動する、外科手術をするなどだ。

なにがKEYなのか。じっくり検討する価値がある段階だ。

ここで現状に立ち返って、「なぜ太っているのか」と分析するのがKEYを探すのには有効だ。
「なぜそのような現状なのか。いかにしてそのようになったのか」

原因、理由を分析できれば、あとはどのようにしたらその原因を取り除くことができるのかにフォーカスすればよい。

この事例では、お菓子を間食しすぎ、運動不足という原因があったとしよう。
これらの原因への対策として、間食を控える、週に2回はジムに通うことを決める。
体型と努力を自慢したいという目的に対して、大きな目標「10kg痩せる」があり、小さな目標、「間食を控える」、「週に2回以上ジムに通う」がある。

お母さん!どっちの鍵で開けるの!?

さて、この2つの小さな目標のうち、どちらがKEYなのだろうか。

KPIの設定に際しては、目標が数値に換算可能であり、やればやるほど数値が増加(または減少)するのがよいとされる。

間食を控えるのは、回数を減らすという形で数値に置き換えることができるが、減らすにも最低限の食事はしなければならないので、下限がある。またカロリーを計測し、摂取カロリーをコントロールするという方法もあるが、やればやるほど数値が増減する類のものではない。

運動頻度の方は、やればやるほど回数や取り組む時間が増えていくので、KPIに適していると言える。

KPIは「週2回以上ジムで運動する」としよう。

KPIで大事なのは、KPIをクリアしていればKGIも達成できることだ。

もちろん、KPIを実行する上での弊害も考えなければならない。

ジムで運動すると食欲が増し、ジムに通う前よりも体重が増加するや、運動のし過ぎで怪我をして身体を動かすことができなくなり運動量が減り体重が増加するなどだ。

KPIを設定する際は、現状の問題の原因を解消すると同時にKPI達成に向け行動することで生じる問題を想定し、問題への対策を考えておかなければならない。

やったら、記録しときぃや

KPIを決めたら、それを達成するために行動する。

週2回以上ジムに行くには、HOW、どのようにしたらよいか。

テレビを観るのをやめて、時間を捻出する。通いやすいジムの会員登録をする。ジムの服装をそろえる。運動仲間を見つける。などなど、様々なHOWがある。

ジムに通い始めたら、必ずジムに何回行き何時間運動したのか、体重はどのように変化しているのか「継続的に数値に記録」していくのが重要だ。記録していかなければ、進捗がわからず、行動(努力)に対してフィードバックがないので、果たしてその行動(努力)は、目的、目標の達成に貢献しているのか分からない。進捗が分からないと行動が非効率だったときの軌道修正もできない。

KPIは記録が肝心要と言っても過言ではない。

軌道修正について触れたが、KPIは1カ月程度運用して、別の指標の方が良いとなった場合は、変更しても構わない。もちろんデータは再度採り直しとなるが、より重要なKEYが見つかったことを考えれば、失うものより得るものの方が多く、軌道修正は大いに行っていくべきだ。

事例も体重も戻るよ

ダイエットの事例に話を戻そう。

ジムで週2回以上運動するのが習慣化し、順調に減量が進められたとしよう。そして、遂に目標であった60kgに到達する。KPI運用がうまくいき、目的も見事に達成できて喜びもひとしおだろう。

しかし、注意しなければならないことがある。そう、リバウンドだ。

目標を達成した後は、どうしてもそれまでのモチベーションが鈍化する。

目標に向けて行動(努力)していたのだから、当然と言えば当然だが、リバウンドは予期できたことだ。

さぁ、どうしたらよいか。リバウンドは本当に避けられなかったのだろうか。

結論から言えば、うまく新たなKPIを設定すれば避けることもできた。

うまく設定とはどういうことだろうか。

○○くんが並走してくれたら、わたし嬉しいなぁ

それは、10kg減量達成前に新たなKPIを設定することだ。

つまり、2本のKPIが同時に走るタイミングを1つ目のKPI達成前に作るのだ。

8kg減量できた段階で、つぎは体脂肪率を20%以下にするなどの別の指標にフォーカスすることで、痩せるという目的を維持しながら、健康的に痩せるといった、より高レベルの方向にシフトすることができるのだ。

ローンもポイントもまとめよう

ここでこれまでのKPIのつくりかたをまとめてみよう。

  • 現状を把握する(例:70kg)
  • 目的から目標を考える(例:自慢する→10kg減量)
  • 現状達成できていない原因を考える(例:間食・運動不足)
  • 原因を解消するようなKPIを設定する(例:週2回ジム通い)
  • KPI数値が良くなるように行動する(例:時間捻出、ジム調査等)
  • 継続的に数値を記録する(例:回数・時間・体重の計測)
  • 適宜、軌道修正する
  • 達成前に次のKPIを設定する(例:体脂肪率20%以下)

このKPIのつくりかたの流れは、今回の減量の事例だけではなく、目的を達成したい事例に応用が効くものとなっている。それらには、最初に取り上げた事業の利益捻出、英語力の向上、家事の効率化、パートナー探しなども含まれる。

理論はそうだが、実際に取り掛かってみると、計画時に思考がうまく働かなかったり、継続するのが面倒と思う気持ちと戦わなければならなかったり、コロナ罹患などの不測の事態でペースを乱されたりなどと障壁は数多くある。

だが、やり遂げれば必ず効果のある方法であるし、一度何かでやり方を習得すれば他の課題にも転用できるメソッドとなっている。

疑問は解決しておきましょう

読者である、あなたはこう思うだろう。「で、筆者はこの方法で成果を挙げているのか?」と。
ならば語ろう。私は、日々、思考が混濁し、自分のだらしなさに嫌気がさし、不測の事態が3日後に起こる経験を積み重ねているのだ。これで成果が出ていないと言えるだろうか。私は、机上の空論がこの理論には当てはまらないという仮説を日々検証するゴーイングヒューマンなのだ。
参考文献:中尾隆一郎『最高の結果を出すKPIマネジメント』フォレスト出版

「KPIのつくりかた−減量を事例に−」はそんな感じ。

fin.

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